top of page
Refugee Policy Platform
saburotakizawa
2022年9月29日
難民についての意識調査: 日本人は難民に冷たくない!?
今月の初めに、インターネットを使った難民についての意識調査を行った。難民意識調査は新聞社などがときどき実施するが、「難民の受け入れには反対」という回答が多数を占めることが多く、それが難民に対する日本人の冷たさとして評価されることもある。政府の政策もそのような「世論」を念頭に...
20
saburotakizawa
2022年9月26日
ロシア人徴兵忌避者が日本に来たらどうなるか?
2月に始まったロシアの侵略戦争の中で、技術者や金持ちなど数十万人のロシア人はすでに欧州諸国に逃げたようだが、プーチン大統領が先週に発表した部分的動員令を受けて、徴兵年齢の成人男子が徴兵を恐れてバルト諸国やフィンランドなどに脱出しているという。慌てたロシア政府は、出国を禁止す...
30
saburotakizawa
2022年9月23日
入管庁での難民調査官研修
先週の木曜日15日に入管庁の難民調査官研修の講師を務めた。全国の地方入管から集まった男女20名の難民調査官を前に「外国人の人権と難民の保護」という与えられたテーマで3コマの講義。入管庁批判が「ブーム」のようになっている中で、「外国人の人権と難民の保護」というテーマはやけどを...
10
saburotakizawa
2022年9月14日
世界銀行「世界開発報告2023」
世銀の世界開発報告は、その時々の大きな開発問題についてデータと分析に基づいた質の高い報告書を毎年出し、途上国政府や開発業界に大きな影響を与えてきたが、来年は「移民、難民と社会」というタイトルで初めて移民・難民問題を取り上げる。...
30
saburotakizawa
2022年9月10日
不法滞在者強制送還についてのNHK国際報道と「心理的安全性」
8月31日のNHK国際報道2022「強制送還の限界〜入管の苦悩〜」は、入管庁で長年勤務した警備課長の声を通して、めったにメディアが報道しない入管側の声を伝える良い番組だった。 同番組に関して、一部外国人支援団体などの呼びかけに答えて、NHKに抗議のメールやファックスがたくさ...
20
saburotakizawa
2022年9月4日
日本型の難民救済法:留学生としての受入れ
自国で迫害を受けて外国(日本)に逃げようとする場合、いくつもの「カベ」がある。第一は「資金のカベ」。親族などがお金を集めて逃がす場合でも、第二の「出国のカベ」がある。国境で拘束される危険がある。ミャンマーとタイ国境地帯には、出国の機会を求めて隠れ住むミャンマー人活動家が多数...
20
saburotakizawa
2022年9月2日
入管法改正案の再提出
去年の5月ごろの国会での入管法改正審議では、収容問題、というよりビデオ開示問題が延々と議論されて、「補完的保護対象者(準難民)」についての議論はほとんどなかった。しかし、去年8月のアフガン人退避問題や今年2月のウクライナ避難民受け入れ問題で、補完的保護の枠組みの重要性が急浮...
30
saburotakizawa
2022年8月23日
アフガン退避者98人の一斉難民認定
タリバンによるアフガニスタン制圧から1年、この間に在アフガン大使館やJICAで働いていた現地職員と家族の他、元日本留学生など計820人が日本に避難しているが、そのうちの大使館関係者98人が難民認定を受けたというニュースが共同通信から流れた。昨年の難民認定総数74人をアフガン...
10
saburotakizawa
2022年8月19日
変わる(アフガン)難民への対応
カブール陥落以来1年が経った。アフガン情勢についての報道は減っているが、同国での問題がなくなったわけではない。タリバンによる少数民族や旧政権関係者、女性などに対する激しい迫害は今も続いている。 日本にも在アフガン大使館やJICAで働いていた現地職員約400人のほか、元日本留...
10
saburotakizawa
2022年8月13日
ウクライナ避難民「受け入れ格差論」をどう考えるか?(3)
先に投稿した「受け入れ格差論」をどう考えるか?(2)で、難民の受入れには限界があり、「選択的」受け入れが避けられないこと、また日本にまで逃れてくる難民(申請者)は難民の中の「エリート」であることに触れた。ここにも「格差」がある。...
10
saburotakizawa
2022年8月5日
ウクライナ避難民「受け入れ格差論」をどう考えるか?(2)
全ての国の全ての難民、国内避難民を積極的に、無差別に受け入れて救済することはどの国にもできない。一国の受け入れにはおのずから限界があり、「一部の国の一部の人」しか受け入れられない以上は、「選別」が避けられない。ワールドビジョンを設立したボブ・ピアスが述べた「すべての人々に何...
10
saburotakizawa
2022年8月2日
日本の財政と人道の「ハイブリッド難民政策」を見える化せよ(The Tokyo Post No.5)
世界の難民や国内避難民の総数が1億人を超えたが、その一部はロシアのウクライナ進攻による1,300万人に上るウクライナ避難民の発生だ。それにどう対応すべきか、ますます大きな国際公共政策課題だ。難民支援プレイヤーとして日本の現在地を確認し、今後の「ふるまい」について提言したい。...
10
saburotakizawa
2022年8月1日
ウクライナ避難民「受け入れ格差論」をどう考えるか?(1)
一部のメディアが、ウクライナ避難民とミャンマーやアフガニスタンなどからの難民への対応の違いを批判して、受け入れには格差をつけるべきでないと主張している。この格差論をどうとらえるべきか? 国際的な難民保護の基盤は「領土的庇護」だ。逃げてきた難民を自国領土内に入れて「主権のカベ...
10
saburotakizawa
2022年7月31日
迷うウクライナ避難民
ウクライナ避難民への支援をしている日本財団の調査では、大多数のウクライナ避難民は、状況が落ち着くまでの日本滞在希望だという。つまり、ずっと日本に留まりたいのではなく、戦争が終わるなど情勢が落ち着けば帰国したいと考えていることだ。...
10
saburotakizawa
2022年7月28日
難民開国に向かう日本
ウクライナ避難民の受入れが始まった3月ごろ、駐日ウクライナ大使は日本に来る避難民は200人ぐらいではないかと言ってた。僕もそう思った。しかしすでに避難民の数は1600人を超し、毎月100人ぐらい増えているから、ウクライナでの戦況にもよるが、年末までには2000人になるのでは...
10
saburotakizawa
2022年7月24日
入管庁長官交代と入管法のゆくえ
初代長官だった佐々木聖子氏は、30年前の30歳の時に書いた「アジアから吹く風:いま外国人労働者のふるさとは」で、今でも通用する知見を披露していて、学会のシンポジウムなどにも快く出てくれた。入管施設への収容について「全件収用主義を不退転の決意で取り組む」と述べるなど、入管トッ...
10
saburotakizawa
2022年7月13日
トルコのクルド人初の難民認定
これも日本の「難民鎖国」が終焉しつつあることの例証。 トルコ出身のクルド人が難民認定を受けたことがないことを、「日本政府がトルコとの友好関係を保つためだ」とする説があるが、それは憶測にすぎない。入管(庁)が外務省の影響下にあった数十年前だったらあり得たろうが、今の入管庁にそ...
10
saburotakizawa
2022年6月23日
ウクライナ避難民受け入れのインパクト
ウクライナ戦争が一つのきっかけで、世界的に難民に対する共感、支持が広がっているとの調査。日本でも同じことが起こっている可能性がある。 日本ではウクライナ避難民の積極的な受け入れが官民で進む。ただし、どのくらいの避難民が日本での長期滞在を望むかはわからない。ミャンマーやアフガ...
10
saburotakizawa
2022年6月17日
難民鎖国の終焉と「認知的不協和」理論
菅野志桜里前議員が主催するプラットフォーム「The Tokyo Post」 に寄稿した。以下は付け足し。 過去5年ほどで入国管理政策は大きく変わり、「特定技能制度」の導入に見られるように外国人(労働者)の大量受け入れに向かっている。それと並んで難民開国も終わりつつある。外国...
10
saburotakizawa
2022年6月15日
日本の「難民鎖国」がついに終焉(The Tokyo Post No. 4)
入管庁が5月に発表した2021年度の難民認定者についての統計は、日本の難民認定制度に顕著な変化が起きていることを示している。(滝澤三郎/東洋英和女学院大学名誉教授/UNHCR元駐日代表) 難民認定申請者の動向 難民申請者数は2,413人とほぼ10年ぶりに2,000人台に戻っ...
50
saburotakizawa
2022年5月14日
昨年の難民認定数から見る難民制度の変化
昨年度の難民認定者数などについての統計が入管庁から13日に発表された。 難民認定数が74人、人道配慮による在留許可が 580人と、 2008年から2009年にかけてのミャンマー人難民申請者への認定(57人)と人道配慮(501人)を超えて過去最高となった。推測を交えてコメント...
10
saburotakizawa
2022年5月9日
日本は“難民鎖国”を打破できるか 鍵握る戦争避難民の「補完的保護制度」(The Tokyo Post No.3)
政府がウクライナからの避難民を積極的に受け入れることにして、4月までに700人以上を受け入れたことは、「難民鎖国」のイメージの強い中で内外の関係者を驚かせたが、これは日本政府が突然「人道的」になったことを示すわけではない。(滝澤三郎/東洋英和女学院大学名誉教授・UNHCR(...
10
saburotakizawa
2022年4月22日
難民(避難民)問題が重要政策課題に
谷合議員によれば、『今回の措置は総理指示により、政府あげての対応となっています。総理は、条約難民に該当しない避難民(今回のような戦争を理由とする避難)を法的に保護する準難民制度創設に意欲を示しています。このことは以前から改正入管法案に盛り込まれてきており、評価をします。』...
30
saburotakizawa
2022年4月19日
「準難民制度」創設は意味を持つか?
首相も法務大臣も言っているのだから、準難民(補完的保護対象者)制度を盛り込んだ入管法改正案が秋の国会に出されるのだろう。ウクライナ避難民の来日が続くなかでタイムリーだ。 改正法の下では、「補完的保護対象者」と認定されるには、1951年難民条約に定める迫害の理由(人種、宗教、...
30
bottom of page