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アメリカ出張日記(13) アメリカ・メキシコ国境の移民支援団体

サンディエゴで、メキシコからビザなしで来て難民申請をする人々を支援するJFSというNGOを訪問。今年2月から今までに14万人を超える移民を支援したという。5月中旬までは多数が来たが、最近は毎日200人ほど。中南米だけでなく、ロシアや中国など、世界中から来る。

国境の検問所で難民申請をすると、移民審査官とのインタビューの日付(何年か先)を指定されて入国を認められる。収容はされない。年に100万人も来るから収容しようがない。9割近くが指定された日に出頭せず不法滞在者になることは先に述べた。

(出頭する10%は難民性が高いと信じるから出頭すのだろう。したがって難民認定率は高くなる。国境で難民申請をしておきながら出頭しない90%を難民認定率に算入したら、認定率はぐっと下がるだろう。アメリカの難民認定率は全くあてにならない)。

それを承知のうえで、JFSは、彼ら彼女らが飛行機で東部州に行くまでの数日の宿泊のほか、着るものや食料、健康チェックなどのサービスを提供する。そのベースにあるのは強い人権・人道意識。

JFSの職員数は500人ほど、年間事業予算は100億円強。その費用は連邦政府、州政府、UNHCRや大学からの補助金で賄う。ほとんどが不法滞在になることが明らかな彼ら彼女らをNGOが支援し、それを政府が補助する「官民パートナーシップ」。「不法入国」とか「不法滞在」があまりに一般化していて、社会的拒否感が弱いのだろう。遵法意識の強い日本では考えられられないことだ。

何ヶ月もかけて、危険な旅を密航斡旋業者(ドラッグカルテルなど)の手引きで終えた人々は、米国入りの夢をこの日、この場所で実現することになる。事務所の壁には、感謝を示す手紙が何百通も貼ってあった。

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