20年近く前の執行委員会と比べて気づくこと:
① 難民や国内避難民が今年は1億人を超えたことの重要性が繰り返し述べられた。その一因であるロシアのウクライナ侵略については西側諸国から強い批判があった。南側の国はウクライナ戦争にはあまり触れていない。自分の国の難民問題で精いっぱいなのだ。
②「気候変動による強制移動」問題が指摘されるようになった。20年前にはアカデミックな議論に過ぎなかった。いわゆる「気候難民」「環境難民」だが、1951年の難民条約の対象ではない。この先、もっと増えることは明らかだが、では国際社会はどうするべきか?この先、何十年も議論されるテーマ。
③それと関連して、移民と難民が一緒に移動する「混在移動問題」がアフリカや中南米諸国から指摘された。難民と移民が同じ船(車)で移動して難民申請をするだけでなく、同一人の中にも移民性と難民性が同時に存在する。毎年数百万人が北側諸国に移動する中で、誰をどう助けるべきなのか。2000年ごろから議論されているが、問題の規模は大きくなるばかり。
④2018年の難民グローバルコンパクトや移民グローバルコンパクトのフォローアップである2023年のグローバル・レフジー・フォーラムへの期待が表明された。日本はこのフォーラムで、アジア地域でConvenorの役割を務める。
⑤UNHCRの財政逼迫、特にウクライナのせいで、安謝伊アフリカへの資金支援が減っていることへの危機感がいくつかの国(とくに南側の受け入れ国)から表明された。
コメント