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UNHCR駐日事務所と入管庁

UNHCR駐日事務所と入管庁の協力関係に関する覚書が上川法務大臣と国連難民高等弁務官グランディの立会いの下にサインされた。

UNHCR駐日事務所と入管庁の関係は常に良かったわけではない。そもそもUNHCRの役割の一つは、日本を含めた難民条約加盟国が条約の義務を履行しているかを「監督する(supervise)」こととなっており、「UNHCRが我々の(難民認定)業務を監督するのか!」と法務省(入管局)のお役人はずっと反発してきた。

僕がUNHCRの駐日代表として来た2007年初めは入管とUNHCRの関係はとても悪くなっていて、対話の場を設けても実質的なコミュニケーションはなかった。入管庁の各種懇談会にも、UNHCRはオブザーバーとしてのみ参加を認められてきた。

2019年の入管庁設立以来、佐々木長官のもとでUNHCRと入管庁の関係は目立って改善した。例えば現在入管庁が策定中の難民認定ガイドラインにはUNHCRの提言が多く反映されている。また、協定にあるように、認定作業において入管庁が判断に迷った過去の事例をケーススタディとして検証し、UNHCRから具体的な助言を得る、というのはUNHCRが間接的にではあるが認定作業に加わることを意味して画期的だ。また入管庁が不得意とする出身国情報の収集にも、ほとんどすべての途上国に事務所を持つUNHCRの情報提供がなされるなら、認定の質を上げることにつながる。端的に言えばより多くの難民申請者が認定されるだろう。

難民条約などの国内規範化をめぐって入管庁との関係におけるUNHCRの立場は微妙なものがあるが、駐日事務所はスタンドプレーを避けつつ、実質的な協力関係を強化しているように見える。その慎重な姿勢が効果を挙げつつあるようだ。

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