ポーランドには150万人ほどのウクライナ避難民がいるが、彼女たちによる経済的な貢献はGNPを押し上げるほどのものであるらしい。
EUの加盟国であるポーランドからは、ドイツなど豊かな国への出稼ぎが続いているが、そのため生じた人手不足を、ウクライナからの労働移民が埋め合わせていた。その中でウクライナ戦争を逃れてきた避難民たちは、8割が就労しているという。ただし、ポーランド政府の特別支援はなくなり、貯金も使い果たした避難民は、生きるためにはどんな仕事であれ働かざるを得ないという事情がある。他のポーランド人と同じく、子供がいれば1人あたり月に1万5000円ほどもらえるらしいが、それでは家賃にもならない。
日本の避難民の就労率は15%ほどと言われるが、ポーランド政府を上回ることが影響しているかもしれない。他方で日本語の壁は途方もなく高く、支援なくては生存を脅かされる。
難民の受け入れは経済的負担になるとのイメージが強いが、安定した法的地位を与えて就労を認めるなど適切な政策をとるなら、長期的には受け入れ国にとっても利益になるということは、僕らが翻訳したBetts とCollier のRefugeが主張することだ。
日本に来たウクライナ避難民は2000人前後であり、言葉の壁、仕事のミスマッチ、さらに不安定な在留資格などで就労が難しく、目に見える経済的貢献には至っていないと思われる。しかし、ウクライナ避難民以外にもアフガン退避者やミャンマー特別措置対象者など13000人がいる。補完的保護制度を導入して5年間の在留を認め、日本語教育に力を入れるなど就労支援を強化するなら、将来、彼ら彼女らは日本(人)を助ける存在になる。
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