今日28日(金)の衆院法務委員会で修正付きの改正入管法案が与党と維新、国民の賛成多数で可決された。
衆院法務委員会では今日が最後の質疑だったが、一番印象的だったのは立憲民主党の寺田学委員の発言だった。
冒頭で、朝日新聞が、朝刊の社説で修正後の改正案を「わずかな修正」と評したことを「不勉強極まりない」と一蹴した。同感。近年の朝日の劣化を示す社説。
その上で寺田議員は要旨次のように述べた。「自らの2年前の国会論議を振り返るなら、複雑なこの問題をよく理解しないまま、一方的な批判と入管叩きに終始した。勝つことが目的だった。その後の2年間、入管職員を含め大勢の人の話を聞き、この問題についてさまざまな考え方があること、そして大きな意見の断絶があること、批判だけではダメなことを学んだ。今われわれ政治家として必要なのは、事実をしっかり見つめ、広く国民の理解を得つつ、意見の相克を乗り越え、日本の将来を左右するこの問題に解決策を見つけることだ。」
所属する立憲民主党執行部が、「何でも反対」の党内左派勢力に引きづられて「廃案一択」を主張する中で、何とか妥協の道を見つけてより多くの人々を救いたい、一歩でも前進しようとしたが、政府与党と交渉して得た全ての譲歩(第3者機関の設置検討や200人の子供への特別在留許可など)が消えてしまう、という寺田議員の無念の思いのこもった発言は胸を打つものがあった。法務大臣も「寺田議員の真摯な姿勢に感銘を受けた。政治家としてこの大課題に一緒に取り組みたい」と返した。
政治家の「心情倫理」と「責任倫理」の葛藤が表れているが、政治家に求められるのは「責任倫理」だ。「私は私が正しいと思うことをする。結果が悪くなったらそれは私以外(例えば入管庁)のせいだ」とする心情倫理で政治をやられたら、被害を被るのは国民であり難民だ。
「責任倫理」に立つ寺田議員と大臣が、建前でなく個人としての想いをぶつけ合う姿は、国会に相応しいものだった。長く記憶に残るであろう寺田議員の発言は下のリンクからビデオで観れる。
https://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=54586&media_type=
寺田議員を含め、何人かの議員が僕の「参考人陳述」に触れたので、下に張り付けた。
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