入管施設の長期収容解消を目的に、難民申請中の強制送還停止を原則2回に制限する改正入管難民法が成立した。法案成立の意義について、元国連難民高等弁務官事務所駐日代表で東洋英和女学院大名誉教授・滝沢三郎氏に聞いた。
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今回の改正入管難民法は政府が10年近くにわたって進めてきた難民政策改革の集大成だ。難民申請者の送還停止を原則2回に制限し、制度への「タダ乗り」を防ぐ一方、条約上の難民以外も保護する姿勢を明確にした。「難民鎖国」と呼ばれた状況から脱却しつつあると評価できる。
欧米では近年、難民認定申請すらさせずに追い返す国が出るなど難民排斥の動きが強まっている。ロシアのウクライナ侵攻で明らかになったように、難民・避難民はいまや人道的観点だけではなく、国際秩序に関わる問題だ。日本の「規律ある人道主義」は、世界にいい影響を与えるだろう。
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