について、先日、某新聞のインタビューを受けた。以下は言ったこと、言わなかったこと。
入管法改正問題は、法律問題というより与野党の政治闘争に発展し、衆議院法務委員会で両者の調整が続けられてきた。
もともとこの法案について野党側はあまり関心がなかったが、支援団体の活動の中で廃案を目指す「世論」が高まり、国会戦略で活用できると踏んでから野党は「廃案」という対決姿勢を打ち出した。
ところが、13日には野党側はなぜか「廃案」でなく「修正」に転じた。「廃案」を唱える支援団体はハシゴを外された形だが、10箇条もの修正は与党が呑まないだろうとの想定だったろう。だが与党側は修正案を受けてそれを大幅に受け入れるところまで譲歩した。想定外の展開。
入管庁はかなり焦ったらしい。しかし、野党側はスリランカ女性死亡に係るビデオの開示にも固執し、それを法案審議とは切り離すことを主張する与党との調整は結局、物別れに終わった。野党側は、法案の修正より与党との対立姿勢を見せることに主眼があったのではないか。
とまれ、野党から法務委員長の解任決議が出された以上は、与党が修正協議に応じることはもはやなく、法務委員長解任決議は否決され、法案は無修正で可決されることになるのだろう。
極めて先進的な内容の10箇条修正案について大筋で妥協していれば、現行の入管法よりずっといい改正入管法ができただろう。それとも、「入管法改悪反対!」という主張からすると現行法の方がいいということだろうか?
政治の世界では、原理原則が通るとは限らず、妥協が避けられない。何を政治課題化し、どこでどのように妥協すべき(であった)かについて、支援団体や野党側の国会戦術も問われることになる。
政治学的には極めて興味深い展開。
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