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入管庁の自己主張

入管庁が、入管法改正の前提となる「現行入管法上の問題点」という報告書を出し、ネットに公表した。仮放免中の逃亡(支援)の問題など、知られていないことの多い興味深いものだ。

 報告書の内容の多くは僕も委員を務めた「第7次出入国在留管理政策懇談会」にも提出されていたが、今回は一部の「送還忌避者」や「支援者」の実態をより明らかにしている。入管法制度の根幹に挑戦する「送還忌避」が入管法改正案の大きな理由だから、一部支援者の「不都合な」実態も明らかにするのは当然のことだ。

 入管庁は今まで、プライバシーにかかるなどの理由でそのような実態について明らかにすることを避けてきた。支援団体の流す一方的な情報についても沈黙を守ってきた。しかし法改正の根拠となる問題についての情報がなければ、国会審議が再び「ビデオ開示」問題などに矮小化されてしまう。

 殺人事件を起こしても難民申請をすれば送還を免れるといった、理に合わず、難民条約の精神にも反する現行法の不備はなんとしても正すべきだ。入管法再提出を控えて、入管庁は今後このような情報や分析は積極的に公表すべきだろう。入管庁に不都合な事実も含めて。

 今回はいわば入管庁の自己主張だが、それは改正をめぐる議論の深化と、入管政策における透明性と説明責任の向上につながる。


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