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ジュネーブから見た日本

来週にUNHCRの執行委員会があるのを機に、UNHCR本部を訪れているのだが、一つの目的はUNHCRが日本の貢献をどう見てきたかを確認すること。

貢献には3つの形がある。第一は資金的・人的貢献で、この点では日本は何十年も大きな貢献をしてきた。政府の資金協力は、昔は米国に次ぐ2位だったものが今では4位、5位になっているが、それを埋め合わせるように民間からの寄付が増え、官民では年に250億円から300億円になる。UNHCRだけでなく国連パレスチナ機関へも40年以上前から拠出を続けている。国連やNGO職員として難民キャンプで働く日本人も多い。この面ではUNHCRの評価も期待も高い。

第2は難民の受け入れで、これはとるに足らないほど少なかった。そもそも、地政学的に見て、韓国や日本までわざわざ逃げてくる難民は少ない。難民の目的国上位50か国ランキングで、日本は48位、韓国は50位だ。加えて、法務省の難民認定は極めて厳格であった。それを知る難民は、仮に日本に来ても難民申請をしないかもしれない。難民制度が信頼されないということだ。とまれUNHCR本部からからすると、日本の受け入れはほとんど意識されない問題だった。

ただ、アメリカや欧州諸国が難民の締め出しを強める中で、日本のミャンマー特別措置や、アフガン退避者、ウクライナ避難民1900人の積極的受け入れなどが続き、UNHCR幹部も大きな関心を持っている。補完的保護制度の導入や難民認定ガイドラインの策定などもある。企業や自治体による定住支援も含め、アジアの一角で難民保護の新しい動きが見えることへの期待があるのだろう。

第3の評価ポイントは、難民の国際的保護体制の維持・強化に向けた外交努力だ。日本は、「人間の安全保障」という外交理念を掲げてきたものの、国際会議などでのリーダーシップはあまり見られなかった。

ところが、2018年にできた「国連難民グローバルコンパクト」の第二回目のフォローアップである「グローバル難民フォーラム」(2023年暮れ)では、日本がConvenorの一つになる。国内における官民の定住支援などが評価されたのかと思うが、難民に関する国際会議でリーダーシップを取るには、実績と他の国からの支持も必要だ。

こうしてみると、日本の難民政策に対する国際的評価は、国内での自虐的評価とは裏腹に、決して低くはなく、かつ上がりつつあると言えそうだ。

今こそ、日本がリーダーシップをとれる時。

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