ポーランドとウクライナの国境での人の流れは落ち着いているが、1日に数千人、出国と入国が半々だという。ポーランドにいて、ウクライナに残る家族に会いに短期間、戻る避難民ももいる。
国境地帯には、ケア(ポーランド、ウクライナ事務所)が運営する一時的滞在所がいくつかある。
そのうちの一つで会ったのは祖母、母親、叔母、子供3人の7人家族(左の写真)。ロシア軍に占領されたヘルソン市から逃げてきた。蛮行で知られるロシア兵は家の中を隅々まで探して、2人の女の子を持つ母親は生きた心地がしなかったようだ。家も壊され、やむを得ずヘルソンを離れた。長女は15歳。通訳になるのが夢で、リモートで勉強を続けるが、机もないからベッドの上が教室だ。
もう一つの家族は、仕切りもないベッドだけの部屋で2家族で暮らす。長女(右の写真の右)は17歳.高校卒業の試験を5月に控えていて、やはり一日中ベッドの上で勉強する。プライバシーはなく、友達とも会えず、疲れ切った様子。およそティーンエイジャーの女の子がいる環境ではない。
帰る家もなく、支援が減りつつあるポーランドに行っても生活の目処が立たず、避難民は途方にくれている。
そんな中で、ケアのスタッフもできる限りの支援をしている。人道支援組織特有の「燃え尽き症候」に悩むスタッフもいて、精神科医のサポートを受けるのだという。
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