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アメリカ出張日記(4) ベネズエラ難民

今日、ニューヨークで会ったのはベネズエラ人でコロンビア大学大学院生のダニエル君。祖父母がイタリアからベネズエラに移住してきた移民だが、2016年からのベネズエラの混乱を逃れてダニエルはアメリカに。親兄弟はイタリアやスペインなどに避難して、家族はバラバラに。いわば「国際家族」だが、この形は家族が違った国に逃げることでできるだけでなく、将来に自国から逃げられるよう、いろんな国に親族がベースを作る形でもできる。ワシントンなどでは、中国共産党の師弟が結構いるそうだが、将来の避難のための橋頭堡かもしれない。

とは言え、ベネズエラの状況は酷いものらしい。ホームレスなどだけでなく、普通の市民が食べるものを求めてゴミ箱を漁る有様という。ベネズエラから「生存移民」が出る理由だ。

彼が案内してくれたのは、グランドセントラル駅近くのルーズベルトホテル。共和党知事のいるテキサス州などが、メキシコから押し寄せる非合法移民をニューヨークなど民主党の強い市にバスで送り込んでいるが、ニューヨーク市には誰であろうと住む所のない者には住居を与えなければいけないという条例があるため、数十のホテルや公共施設がこれら移民のために提供されている。ルーズベルトホテルは行き先が決まるまでの一時滞在所で、次々に人々が到着し、中に入って行く。

この一時滞在施設をはじめ、ニューヨーク市にある数十の滞在施設の運営費用は1年で10億ドル(1400)億円にも上り、人口800万人の市にとっては重圧で論争が起きているという。不法移民のために税金から毎年1400億円も使われるとなると、反対運動が起きるのは不思議ではなく、市長も支援を減らしたいのだが、民主党が支配する市議会がそれを許さないのだという。

博士課程で経済学を学ぶダニエル君の分析では、移民がハッピーなのは当然として、この制度によってホテル業者や支援団体も経済的に利益が上がるため、現状を支持するのだという。移民の権利を守る、という建前の裏には経済的利益も潜むらしい。

とても持続可能な政策とは思われないが、アメリカの移民問題は民主対共和の政治的対立と経済的利害が絡んでますます深刻化すると思われる。

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