クーデターで権力を奪ったミャンマー国軍は今も反軍運動勢力への仮借なき弾圧を続ける。その中で政府・入管庁は在日ミャンマー人に対して、緊急避難的な在留許可付与を決め、即時実行する。
難民認定作業は迅速処理とし、申請中の就労が週28時間まで認められる。難民と認められない場合でも「特定活動」資格で在留と就労が認められる。非正規滞在者についても、正規滞在者に準じて個別に対応するという。
入管法改正案が流れ、「補完的保護」や「申請に基づく在留特別許可の枠組み」による大量救済はできなくなり、その代わりの特例対応だが、数百人、数千人の在日ミャンマー人が救われるだろう。良いニュースであり、重要な先例となる。
この前向きな方針は、今後逃げてくるかもしれないミャンマー人活動家などについても適用されるだろう。国軍に指名手配され、日本に政治亡命を望む若者などが、タイへの合法的出国・入国ができず、国境地帯の街に潜んでいるという。彼らも、何らかの方法で日本にたどり着けば、保護されるという希望を持つことができる。
2011年の民政移管後、入管庁はミャンマー人難民申請を認めなかった。ミャンマーは民主化したから、という理由だ。しかし、カレン、カチン、チンなど辺境の少数民族への迫害は民政移管も2016年のNLD政権下でも一貫して続いた。迫害は60年に亘って続いている。紛争による国内避難民もロヒンギャを入れれば20万人を超す。これらが広く知られるようになった今、過去の不認定決定についても、出身国(地域)情勢判断に瑕疵があったとして、何らかの見直しをすべきではないか。
在日ミャンマー人の不安を和らげる今回の措置は、ODAの見直しと並んでミャンマー国軍に反対するという日本政府のメッセージであり、内外のミャンマー国民が歓迎しよう。
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