アウシュビッツに近いクラクフ(クラコー)の街は、昔のお城があったり、郊外を含めて美しい街で、観光客にも大人気。
夕食を食べにマーケット広場に出かけたら、「ウクライナの子供たちのために」と、ダリアという名のウクライナ人の女性が募金を呼びかけていた。ウクライナとの国境地帯で避難民の子供達に会ったばかりだったので、早速お札を数枚出した。
考えてみると、このときの寄付が、1週間のポーランド出張の間で現金を使った唯一の機会。飛行機やバスのチケットからチューインガムの支払いに至るまで、すべては非接触的のカードで簡単に決済され、現金は要らない。これはウクライナでも同じだそうだ。
ポーランド(やウクライナ)が進んでいるのではなく、日本が大きく遅れているのだ。ウクライナから日本に避難してきた女性が言ってたが、日本の携帯電話とか銀行のペーパーワークの非効率さにびっくりしたそうだ。
僕ら団塊の世代にとっては、ポーランドは「東欧の貧しい国」というイメージが残る。しかし、2004年のEU加盟以来、ポーランドの経済は活況を呈していて、中心街には高層ビルが立ち並ぶ。Wi-Fiはどこでも使える。
ウクライナ戦争の帰趨にもよるが、近い将来、欧州の中心に位置するポーランドが経済的にもヨーロッパの中心になることもあるかもしれない。
他方で、初めてジュネーブに赴任した1981年ごろに比べて、日本(人)のヨーロッパでの存在感は激減している。観光地で日本人を見かけることもない。中国人や韓国人は増えた。欧州の空港はどこも羽田空港より大きく賑やか。成田空港はとても国際空港とは言えない。
ウクライナ避難民も、日本についてはアニメとかトヨタぐらいしか知らない。当然、日本を選んで逃げてくる難民も少ない。積極的な受け入れ策が取られない限り、今より増えないだろう。
日本は、極東の小さい島国になっていく可能性が強い。愛国心の強い者には辛いことだ。
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